ギター

Yamaha FP-300MNにString Butler V1を装着

2020年にここでHeadway HCF35S ANというアコースティックギターを中古で買い、ワンツースリーサウンドのオリジナル貼り付けタイプピックアップを付けてエレアコ化して使っていることを書いた。

長らくこのギターを出しっぱなしにして仕事場の脇に置いて気が向いたらすぐ手に取って弾ける状態にしていたが、今年の初夏くらいだろうか同じ様に出しっぱなしにできるエレガットが欲しくなり、Yamaha FP-300MNというナイロン弦ギターを買い、前出のHCF35S AN同様にオリジナル貼り付けタイプピックアップを仕込んでみた。

FP-300MNというギターは、台湾のYamahaが作っていたギターのようでHCF35S AN同様にトップは単板(米杉)だが、それ以外の部分はサイドバックがラミネートのローズウッドだったり多分ナットとサドルがプラスチックだったりと廉価版ギターとして値段相応な感じの仕様のギターだ。2001年発売当初の定価が4,3000円で実売は4万円弱という感じで売られていたらしい。アコギのヘッドとペグ、ブリッジをナイロンギター風に変更したアコギとクラシックギターのハイブリッドの様なギターになっているギターで、当時はそういう需要が送出できると期待されていたのだろうがあまり売れなかったようで中古でもそんなに見かけない。なので、逆に中古相場は少し高くなっていたりする。

買った中古では、まずペグがYamahaのオリジナルでなくてどこかの安い練習用クラシックギターのペグに交換され、Fishman Sonitone VT-1だと思われるサドル下のピエゾピックアップが追加されていた。このピックアップを追加する際にサドルを交換したようで、オリジナルではナット同様にプラスチックだったと思われるサドルはTUSQだと思われるサドルに交換されていた。

このギターのペグを安いがGotoh製ペグに交換し、ナットとサドルを牛骨に交換し、マイクを前述のコンタクトマイクに交換して使っている。

音についてはペグ、ナット、そしてサドルを交換したことでかなり良くなったが、まぁ値段なりという感じの音がする。非常に弾きやすいので不満はないが、今後もメインで使うかどうかには迷うところだ。

個人的に一番気になったのが、ナットからペグへの弦の角度だ。通常のクラシックギターの場合でもナットからペグにストレートで弦を巻き取れることはないと思うが、このギターでは構造的にナットからペグへ向かう弦の角度が急なのだ。これは一般的なクラシックギターなら52mm程度はあるはずのナット幅が、このギターでは48mmしかないことと無関係ではあるまい。ナット幅が狭いためナットからペグへの弦の角度がより急になるのだと思う。

この写真は真正面から撮影していないのでわかりにくいと思うが、ナットからペグに向かって弦がまっすぐに伸びていないことはわかると思う。クラシックギター(ナイロン弦ギター)は、程度の差こそあれ元来がこういうものではあるのだが、昔からこれが美しくないと思ってしまうのだ。
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このナットと弦の角度をストレートに近づけて見た目を改善できないかと考えた末に見つけたのが、
String Butler V1オールブラックという製品だ。

このString Butlerシリーズの本来の目的は、ナットからペグへ弦の角度が付いているとナットと弦の間に偏った摩擦が生まれるため、エレキギターでチョーキングやビブラート、トレモロアームなどを使った際にチューニングが狂うという問題を解決することだ。実際に効果があるらしいことは、YouTubeに検証動画がいくつもアップロードされていて分かる。

String Butler V1オールブラックを使えば見た目の問題が少しは改善すると思うが、この製品はエレキギターを念頭にした製品であり、ナイロン弦のギターに問題なく取り付けられるのか不安があった。買って試せば良いことではあるが、過去に何か事例がないかドイツのメーカに問い合わせたところ試したことはないが取り付け自体は問題ないのではないかという答えだった。

なので、試しにドイツのメーカに直接3個発注し、その内の1個をFP-300MN取り付けてみた。

String Butler V1はトラスロッドカバーを外してそのネジ穴を流用して取り付けることが想定されているので、本来ならギターに改造を施す必要がない点がウリだ。効果がなかったり、気に入らなければ外してトラスロッドカバーを元に戻せば良い。

しかしFP-300MNのトラスロッドはサウンドホール側で調整するようになっているのでヘッドにはトラスロッドカバーがないから、String Butler V1を取り付けるにはヘッドにネジ止めしなければならず新たにネジ穴が開くことになる。高級なギターなら間違いなく躊躇する改造だし、自分も10万円以上のギターでこの改造を施す勇気はない。

そのため、まずはString Butler V1の裏面全体に比較的に強力な両面テープを貼ってヘッドに接着してみた。触ってみても微動だにしないのでしっかり接着できたことを確認して弦を貼り直して音を出すと、音量は落ちて薄いペラペラな音になってしまった。見た目は期待通り改善したのだが、音が劣化しては使い物にならない。メーカには試験した結果として報告すると、なんと「String Butler V1は、ネジ止めしないと音は劣化すると思う」という回答が戻ってきたのだ。

そこでFP-300MNは安価なギターだし中古で買って既に改造も加えているわけで、今更ネジ穴の一つや二つはどうってことないやとネジ止めしてみると、何と生鳴りそのものが良くなった、つまり音量が大きくなったと思う。そしてミッドレンジから少し低音に向かって倍音が増えたのか音に厚みが出たようだ。

下の写真がString Butler V1をネジ止めした状態だが、ナットからペグ側へ出る弦の角度がストレートに近くなり、見た目的には満足な結果が得られたと言える。
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メーカに聞いたところ、どのString Butlerでも取り付けると程度の差こそあれ必ず音は変わるそうだ。それが良い方向に変わるかどうかはギターによるので、今回は運が良かったのだろうという話だった。

元々は変な角度でヘッドに接触して損失していた弦振動がString Butler V1のポストからヘッドにネジ止めして密着しているString Butler V1本体を経由してネックへと伝わっていくことで音が変わるというのはありそうなことだ。しかも個人的な感想だが、音は良い方へ変わったと思う。

String Butlerシリーズは安い製品ではないので誰でも気軽に試せるわけではないと思うが、私のようにナットからペグへの弦の角度が気に入らない人や、大幅な改造をせずにアコギやガットギターの音の改善を期待したい向きは一度試しても良いのではないかと思う。ちなみにMartin系のヘッド形状にはString Butler V1が収まらないので、String Butler V5か
String Butler V3を試すことをお勧めする。メーカでは、効果が出る保証はないが試すならString Butler V3だろうと言っている。

なお、中国の格安通販モールにString Butlerを名乗る製品、あるいはString Butlerとそっくりの製品があるが、全て偽物なので注意してほしい。メーカでは、中国のモールに出品していないし、許可も出していない。仕上がりがいい加減で部品の欠品もあるので、工場流出品で冴えないので絶対に買ってはいけない。

Godin Multiac Nylon Duet Ambiance Acoustic Electric

現在、弾き語りのメインギターは、GodinのMultiac Nylon Duet Ambianceというエレガットだ。

このギターはもう廃盤になってしまったようだが、ナット幅が48.26mmとクラシックギターで標準的な50mmから52mmより若干細く、アコースティックギターやエレキギターでは一般的な45mm以下より太くて、ややクラシックギターに近いネックの使用感になっている。過去にナット幅が43mm前後のエレガットも使ったことがあるが、細すぎて違和感があり手放してしまった。自分の手が小さめな上に、左手の親指で6弦を押さえることがあるので48.26mmというのはちょうど良い感じになっている。

ちなみにGodinのエレガットには、クラシックギターのフィーリングに近いナット幅50.8mmのGrand Concertというシリーズもあるが、前述の理由で自分にはネックが太すぎて使えない。

Grand Concertにはサドル下に仕込まれたピエゾピックアップ以外にL.R.BaggsのLyricピックアップが内蔵されており、ボディの鳴りとピエゾピックアップの音をブレンドすることができる。一方のMultiac Nylon Duet Ambianceでは、実物のマイクは内蔵されていないが電気的にマイクの音をシミュレートしてボディの鳴りを再現するサウンドイメージという機能がある。実際にボディの音を拾っているわけではないので、例えばパーカッションのようにボディを叩くスパニッシュギター的な使い方はできない。ほとんどボディを叩くことはないが、稀に叩いた音を拾ってくれれば良いのにと思うことはある。

Godinのエレガットシリーズは、ボディが薄く、独自のダブルチェンバーというホロー構造によりハウリングが起きにくいのだが、全くハウリングしないわけではないから、ハウリングという点だけ考えれば、ボディ内にマイクがないMultiac Nylon Duet Ambianceの方が有利だろう。ちなみに自分の場合、PAには
Zoom AC-2を経由して音を送っているので、そのフィードバックキャンセラを使ってハウリング対策している。Multiac Nylon Duet Ambianceにもハウリング対策としてフェイズスイッチがあるが、使うと音のキャラクタがかなり変わってしまうので音の変化が若干でも少ないAC-2の方が良いように思う。

会場によっては、まれにハウリングが気になってしょうがないことがあるので、予備として
YamahaのSLG200N NTというサイレントギターも持って歩いている。このギターはボディがないので、ハウリングと基本的に無縁だ。そしてボディがないのにボディの鳴りを再現するYamahaのSRTという機能の簡易版が搭載されているので、マイクをシミュレートしてボディの鳴りをブレンドすることもできる。これは、Godinのサウンドイメージと似たものだと思って良いだろう。

弾き語り用のギターとしては、これまでアコギ、フルアコ、セミアコ、テレキャスター、ダンエレクトロ(セミアコ)などと試してきたが、結局は前出のエレガットで落ち着いた。マカフェリタイプのギター(ジプシージャズギター)も自分の声に合っているように思えて良かったが、ライブでの取り扱いが厄介で諦めた。その点、Multiac Nylon Duet AmbianceやSLG200Nは、扱いやすさでライブには最適なギターだと思っている。

Headway HCF350とギターの音

最近、Headway HCF35S ANというアコースティックギターを中古で買った。


日頃から出しっぱなしにしておいて気にならない安いアコースティックギターの中古を探していたが、なかなか自分に合うギターには巡り会えなかった。ところが、このHCF35というギターは持った瞬間から手にしっくりきただけでなく、音もワンラン上のギターの音がすると感じたのだ。トップがスプルースの単板なのだが、これが非常に良くなる印象だ。

このギターそのものの詳細な情報は知らないのだが、長野県松本市のギターメーカ、ディバイザーの廉価版シリーズの一本らしい。すでに製造は終了していて、型番から分かるように定価が35,000円で実売は3万円弱くらいだったようだ。

形状からするとMartin OM28辺りを模したギターのように思われるが、Martin OM28のような深みのある音は出ない。それでも非常にバランス良く鳴り、HCF35というギターを知らなければ中古で1万円そそこそこのギターと思う人は皆無だろう。

で、このギターを買ってから毎日のように弾いて、ふと思い至ったのがギターは音よりも弾きやすさが重要だということだ。これまでも音に惹かれて買って、結局は手放したギターも多いが、今思えば弾きやすさが足りなかったんだと思う。

Ibanez JP-20を買った時、なんて弾きやすいギターだろうと思ったが、高いギターなので当たり前だとも思った。しかし、HCF35を弾いてみて値段は関係ないんだとやっとわかったということか。

そう思うと、音は大好きだが何故かあまり弾かないEpiphone Riviera(ミニハムバッカーのタイプ)なんかは、その典型で弾きやすさが足りないってことなんだろう。この辺、老化による肩や腰の痛みから重いギターを長時間担いでいられなくなったこととも関係あるかもしれない。

ギターが好きな人には音のが重要だ、あえて言えば音が全てと思う人も多いと思う。自分もずっとそう思っていた。しかし音を重視して弾きやすさを犠牲にするのは、好みのデザインながら足の形に合わない靴を履き続けたり、同様に違和感があるままスーツを着続けるのに似ているように思う。

今後もギターを買うことがあるならば、もちろん音も重要ではあるが、選定基準としてまずは弾きやすさを優先するように心がけよう。

LM-3とJamMan Solo XTとBOSS RC-3

ここで書いたかどうか忘れてしまったが、最近は弾き語りライブの際にあらかじめLogicで作っておいたオケを流しながら演奏している。

立って演奏しつつ、自分でオケを再生し、停止し、次のオケを再生し、と繰り返すので、フットスイッチで操作できる必要がある。

当初は、フットスイッチ式のMP3プレイヤーである
NUX LM-3 LiveMateを使っていて、特に不満もなかったのだけれど、再生しているオーディオがMP3というのがなんとなくこそばゆい感じがしていた。

MP3といっても、お客さんは「オケの音が良いね」と言ってくれていたし、実際のところCD音質とMP3 320kbpsの音質をガヤガヤしたライブ会場で聞き分けられる人はそんなにいないと思うが、やはり心のどこかでMP3なんだよなぁ、と思ってしまうのだ。

そこで同様の目的でWAVファイルを再生できるエフェクタとしてDigiTech JamMan Solo XTとBOSS RC-3を試すことにした。ちなみに自分で調べた限りでは、WAVファイルのオケをフットスイッチで制御できる製品は、この2種と英国の
BakTrak MDEだけのようだ。BakTrak MDEも試したかったが、日本に代理店がないと何かの時に不安なので今回は対象から除外した。



で、結論から言えばDigiTech JamMan Solo XTでもBOSS RC-3でもそぞれ別売りのフットスイッチ、FS3XとFS-5Uがあれば要はなすことが確認できた(FS-5Uには後述するような注意が必要)。どちらも音は良いし、操作のしやすさ(としにくさ)も似たようなものだ。



一つ非常に重要な点を書いておくと、JamMan Solo XTをオケの再生に使うには、パソコンにつないでWAVファイルを本体の内蔵メモリか追加したmicroSDカードにコピーする必要がある。ファイルをコピーするにはJamManager XTという管理ソフトを使うのだが、メーカの製品ページにはmacOS 10.12対応と記載されているにも関わらず、macOS 10.11以降に対応していない。なので、macOSを使っている場合は10.10までしか使えない。ちなみにWindows 10は問題ないようだ。

メーカは完全対応していないだけで対応はしていると言っているが、実際のところmacOS 10.11以降でJamManager XTを使ってしまうとJamMan Solo XTに保存しているループなどが正常に使えなくなるので絶対に使ってはいけない。そして当面はmacOS 10.11以降に対応する予定はないそうなので、Macユーザは注意が必要だ。というか、MacユーザはJamMan Solo XTと同様にJamManager XTを使う全ての同社のシリーズ製品を使わない方が良い。

音については、個人的な主観だがJamMan Solo XTの方が自然で、RC-3のがややドンシャリに感じる。どちらが良いかは好みもあろうが、ざわざわした会場ではRC-3のが聴きやすいかもしれない。

操作性では、JamMan Solo XTの液晶は3桁表示で、2桁表示のRC-3よりも便利だ。特に正確なテンポが必要な場合、JamMan Solo XTなら数値でピタッと合わせることができる。RC-3では、これはできない。

しかし自分の用途はルーパーではないので、この違いは何の意味もない。ルーパーを探している人は、この液晶の表示桁数の違いについてよく考える必要があると思う。

本体価格もフットスイッチの価格も最安値をネット上で探せば似たような価格なので、どちらでも好きな方を選べば良いが、FS-5Uについては注意が必要だ。

RC-3でトラックを再生する際にフットスイッチで次のトラックを呼び出したり前のトラックに戻るには、本来はFS-6というフットスイッチが2個並んだデュアルフットスイッチが必要だ。FS-6を使うことで、片方のスイッチで録音/再生/オーバーダブの開始と停止、テンポの設定、フレーズクリアを、もう片方のスイッチでトラックの移動ができるようになる。価格的にはFS-5Uの2倍にはならないので、素直にFS-6を買っても良いのだが、自分の場合はエフェクタケースをリュックサックに入れて持ち歩いているのでコンパクトエフェクタが3個くらいしか入らない。FS-6は大きすぎるのだ。


そこでFS-5Uだけでなんとかならないかと調べたところ、FS-5Uを2台並べてFS-6と同じように使う方法があり、その際はRC-3と接続したステレオケーブルの右側につないだFS-5Uがトラックの移動に使えるので、この右側のケーブルにオンオフ信号を送ればトラックの移動ができると予想できた。手元にステレオのミニジャックを標準ジャックに変換するプラグがあったので、安いステレオミニ->モノラル変換ケーブルを買って右側にFS-5Uをつないで試したのだが、そのままでは使えなかった。


どうやら左側のケーブルにフットスイッチが接続されていないと右側が正常に反応しないようだ。ちなみにFS-5Uを一台だけステレオケーブルでつないだ場合には、左側につないだ場合と同じ動作になるので左側をデフォルトとして優先しているのだろう。

左側にもフットスイッチがあるとRC-3を騙せないか考えて、左側のケーブルのジャックを切断し、内部の2本のワイアをつないでみたところ、右側につないだFS-5Uだけで問題なくトラックを移動できるようになった。この方法が電気的に正しいのかわからないが、とにかく使えているので良しとしよう。

というわけで、本来ならJamMan Solo XTでもよかったのだが、macOS 10.11以降に対応していないし、今後も対応しないそうなので却下し、今後はRC-3とFS-5Uという組み合わせを使うことにした。

Aria Pepe PS-53とZoom A3

ライブで弾き語りするためのメインのギターをAria Pepe PS-53に決めたわけだが、やはり音が貧弱だ。


Zoom A3を通して

すでに廃盤になっていると思われるVOX AGA70というアンプの真空管チャンネル側を使って音を出しているのだが、音に厚みがない。


家にはYamahaのサイレントギターSLG200Nの前身であるSLG130NW、野上三郎氏製作のクラシックギター(詳細は不明)があるが、そのどちらもPS-53よりも深く澄んだ音がする。


PS-53はボディサイズが小さいし、価格だってSLG130NWや野上氏のギターの方が全然高いので、仕方ない部分はあるが、先日クロサワ楽器の渋谷店でホセラミレスの定価が16万円くらいのスケールが63cmの小ぶりなギターを試奏したところ、これが音色も良いし、とにかくよく鳴る。で、家に帰ってPS-53を弾くと、以前はそれほど気にならなかったのに、どうしてもクラシックギターの音が出ていると思えなくなった。

深みがない玩具のような音に思えて、どうしても耐えられなくなってきた。しかしスケールが53cmという点は譲れないので、何とかならないものかと思案し、ToneWoodAmpを買って試そうかとも思ったが、ToneWoodAmpはギターのバックを共鳴板に使うとは言え、あくまでギターから出た音にエフェクトをかけて振動させるので音色が変わるわけではないだろうと思いとどまった。


数日悩んだ末に、ボディサイズに起因するのであればボディサイズの大きなギターをモデリングしたら良いのではないかと思いついた。普段、Zoom A3では全体のバランスと音のキレが良いMartinの00-18を指定しているのだが、これをもっと本体サイズの大きなGIbson Advanced Jumboにしたところ、これがバッチリで、PS-53からかなり綺麗な深みのあるクラシックギターっぽい音色が出るようになった。もちろん、A3のAdvanced Jumboを通り、VOX AGA70の真空管チャンネルを通り、その間にもそれぞれエフェクトやイコライザがかかっているわけだから、すでにナチュラルなクラシックギターの音ではないが、自分が思う深みがあり、立ち上がりが早く切れがあり、自然なサスティーンのある音色にかなり近い音が実現した。

何となくPS-53から心が離れ、他の選択肢を探そうかなと思い始めていたが、今はもうPS-53に不満がない。まさにZoom A3様様という感じだ。

Aria Pepe PS-53を改造

ショートスケールのギターを探し続けた結果、メインのギターはスケールが53cmというスペイン製の子供用クラシックギター、Aria Pepe PS-53に落ち着いた。53cmだとスケールが短すぎて弾きにくいことがあるが、以前は届かなかったフレットまで指が届くので、指が届く方を優先して53cmで良しとしたものだ。



このギターに、以前Baby Taylorに仕込んだのと同じ
乙女の二股というマイクを仕込んで使っている。

しかしPS-53は子供の練習用という位置付けのギターだから仕方ないのだが、音量が小さいし、各弦のバランスも悪いし、サスティーンも十分になく、音に張りがなく、音の立ち上がりもどんよりしていて少しおもちゃっぽいのだ。これらの多くはZoom A3を使うことで解決しているが、音の立ち上がりとサスティーンだけは思った感じにならない。



そこでナットとサドルを牛骨か人口象牙に変更しようと考えて交換用部品を探した結果、ナットは
GRAPHTECH PQ-6250-00がぴったりであることが分かった。


なお、このナットはPS-53に元々付いていたナットよりも高さが若干高いが、1弦と6弦が少し下がっている。そのため、中央の高さを合わせるために底を削って交換すると1弦と6弦の弦高が下がるので注意が必要だ。

問題はサドルだ。まず幅も厚みもそのまま使えるぴったりのものがないということに加え、自分のPS-53が全ての弦でオクターブピッチがシャープする問題をサドルの交換で同時に解決したいという思惑があるのだ。特に3弦が強くシャープするので、サドルの造作で何とかならないかと考えた次第だ。

クラシックギターの場合、オクターブピッチが全てぴったり合うことは珍しいらしいが、それでも少しでも改善したい。考えたのは、厚みが最大の交換用サドルを採用し、弦が載る部分の山をブリッジ側にずらしてしまう方法だ。こういう方法が正しいのかわからないが、理論上はこれでオクターブピッチが改善するだろう。不安な点があるとすれば、サドルがブリッジに収まっている部分は従来と変わらないため、サドルにかかる負荷でサドルが折れてしまう可能性があることだ。文章で説明してもわかりづらいので写真を載せると、こういう感じだ。
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これはGraphtechPQ-9025-00 TUSQ 1/4” SADDLE SLAB サドルという製品を買い、幅をブリッジに合わせて短くし、ブリッジの溝にきっちり収まるように下半分を削って足に当たる部分を作り、上は本来のサドルの位置よりもブリッジ側に弦が載る山を作るように削っていったものだ。


これでスケールが少し伸びるので、シャープしていたオクターブピッチが改善するわけだ。で、実際のところ、これで3弦以外のオクターブピッチは改善した。3弦については、まだ若干シャープしているが許容範囲に近づいたので、これで良しとした。

これ以上の改造となると、もうブリッジを剥がして位置をずらして貼り直すしかないと思う。あとは、この改造サドルが弦の張力などによる負荷で足の部分から折れてしまわないことを祈るばかりだ。

なおTUSQの効果については以前も書いたと思うので詳細は割愛するが、音の立ち上がりは抜群に良くなり、自然なサスティーンも得られるようになった。個人的には、PS-53レベルのギターよりひとクラス上のギターの音になったと思っている。

53cmというスケールが自分に一番合っているとは思いつつも、PS-53の音の貧弱さとオクターブピッチのズレから、最低でもスケールが58cmあるギターに変えようかなと悩んでいたが、今回の改造でもう文句は無くなった。弾き語りで使うギターは、PS-53だけで良いだろう。もちろん音や演奏性が完璧ということではないが、十分に納得できるレベルまできたと思う。

こうなるとPS-53用のハードケースが欲しくなってきたが、本体の新品売価が4万円強に対し、ハードケースが1万円というのは高いと感じてしまって二の足を踏んでいる。

乙女の二股

以前も書いたように、現在メインで使っているアコースティックギターは完全にBaby Taylor BT2になっている。


ちなみに以前使っていたOvation Pinnacleは、弦アースが取れない状態でもありメンテも兼ねて長野県松本市の
Vellmor Guitarsに修理に出した。自分で治すつもりで断念したブリッジも貼り直されて、4月には戻ってくるだろう。

で、すでに20年は人前で演奏していないのだが、Baby Taylorを弾くとあまりの気持ち良さにまたライブやりたいなぁと思い、リハビリのために弾き語りのコンテストにでも参加しようかと考えるようになった。

その時使うギターはBaby Taylorだと思うが、現時点ではマイクがARTECのA1-OSJという安い外付けタイプだ。


このマイク自体は非常に優れた製品で、実売が2,000円前後とは思えない高いコストパフォーマンスを誇っている。

ただし、このマイクの弱点は貼り付けたトップ上の位置で出てくる音が全く異なるという点だ。だったら、一番良い音がする場所に貼っておけば良いじゃんと思われるかも知れないが、それがそんなに単純ではない。

というのも、自分はほとんどが爪引く奏法なので、それで自分が思う一番良い音がする場所に貼っておくと、コードストロークで弦の音が濁ってしまうのだ。そして、その逆も同じ。

実際のところ、宅録でコードストロークを録音する場合は、マイクを立ててA1-OSJの音とミックスしているのだ。

さらに、自分ではやらないがトップを叩く奏法の場合は、また全然違う場所に貼り付けたくなるだろうが、そこが弦の音を一番よく拾う場所と違うことは容易に想像できる。

つまり、奏法によって貼る場所を変えなければならないが、そんなことはライブでできるはずがないのだ。

また、トップに貼ったマイクから出ているケーブルがだらんとしてしまうのも、ちょっと格好悪いかなというのもある。

そこでギター本体内部に複数のマイクを仕込もうと考えた。そんな製品があるのかわからなかったが、探してみればあるもので、123music.jpの
オリジナルピックアップキットなるものを見つけた。この製品の中でダブルというのがマイクが2つある製品だ。

実は、この製品の以前の名称は乙女の二股というのだ。で、乙女の二股の頃にもネット上で調べたことがあるが、当時の
乙女工房というサイトの名称と乙女の二股という製品の名称から、なんとなく胡散臭いと思って手を出さずにいたものだ。

この製品は、2個のパッシブのピエゾマイクをトップの裏側に貼り付け、エンドピンジャック経由で外へ出すものだ。プリアンプはないので電池は要らない。またマイクとケーブルはすでにエンドピンジャックにつながった状態なので、エンドピンの部分に13mmの穴さえ開けられれば、自分で半田付けしたりする必要がない。

同じ構成になるように同様の部品を買って来て自分で半田付けすることもできるが、多分その方が高くつくと思う。

これこそ自分が探していた製品だというわけで、早速発注し、Baby Taylorのエンドピン部分に穴を開けて装着してみた。

結論から言えば、本当に素晴らしい結果が得られて大満足だ。

しかし、注意も必要だ。

まず穴を開ける際、穴の縁は面取りした方が良いということだ。面取りしなくても装着できるが、自分で作業した感じでは、面取りしていないとエンドピンにかかる負荷や当てたり落としたりした衝撃で穴の縁が欠けたり割れる可能性が高いと思う。

次にマイクを装着する位置が問題だ。ギター内部に貼り付けるので、弦を張って鳴らして、気に入らなければ弦を外してマイクを貼り直してと繰り返すことになるため、マイクの貼り付け位置を気軽に試行錯誤できない。そこで、エンドピンにVOX amPlug2 AC30を挿してイヤフォンで音を聞きながら、二つのマイクをトップ上面に密着させた状態で弦を鳴らし、どこが一番良い結果が得られるかを事前に入念に調べてみた。


基本的にはブリッジからエンドピン寄りで高音側と低音側に付けるのが一般的だと思うが、数センチずれただけで音が変わってしまうので慎重に作業し、ここだという場所に付箋なりを張ってマークしておく。その後、マイクをトップ裏面に貼り付ける際、マークを参考に正確に貼り付けるわけだ。実際には、一度貼り直したのだが、このやり方は非常にうまくいった。

そして最後に、ギター本体内でケーブルが遊んでいるため、激しくストロークしたりすると、ケーブルが移動してトップやバックに当たる雑音が出ることがある。これはケーブルをセロテープでバックに止める以外の対策は考えつかなかった。

余談だが、このマイクは思ったよりも品質が高く、非常に良い音が出る。とは言え、ピエゾピックアップであることに変わりはないので、アコースティックな音を出すにはデジタルモデリングが必須だろう。自分の場合は、いつも使っているZoom A3でD-18を選んだ時に、一番好みの音になるようだ。


こうしてBaby Taylorのアコギ化が完了したので、コンテスト参加を真剣に検討しようかな。

CJB-60s/FLのアクティブ化はやめておく

先日ここに書いたCJB-60s/FLをアクティブ化する変則アイデアだが、やめておくことにした。

まずBehringerのBDI21で十分に満足できる音が出るので、本体のアクティブ化は面白いのは確かだが、必須ではない。また本体をアクティブ化すると電池切れで音が出ないという弱点を持つことになるからだ。


でも、興味を持つ人がいるかも知れないので、ボツにした変則アイデアについて書いておこう。変則アイデアと言ってもいたって単純で、Compact Bassシリーズのアクティブ版である
CJB-70s ASH/Activeを買って、そのネックを手元のフレットレスのネックと交換するだけだ。これでアクティブ回路で本体がアッシュのフレットレスのCompact Bassが出来上がる。CJB-70sのネックの方は、パッシブのCompact Bassとして今後も使えるし無駄がないというわけだ。

Compact Bass CJB-60s/FLを手に入れる

ショートスケールのベースで自分のフィーリングにマッチするものを探していて、イケベ楽器オリジナルのCompact Bassなるものを見つけた。


以前からなんとなく知っていたが、スケールが70cm強程度とショートスケールよりも短い子供用という認識だった。

ところが2016年初頭にリニューアルしたということで製品ページを見てみると、スケールが75cmになったようだ。ショートスケールベースの代表的製品であるFender Mustang Bassが76.2cmということで、ほぼショートスケールになったと言える。念のためにイケベ楽器にリニューアルでどこが変わったのか確認したところ、スケールが長くなり、ヘッドにCompact Bassのロゴが入ったそうだ。

高いものでもないし、すぐに買って試してもよかったのだが、Mustangより1.2cm短いスケールではオクターブピッチに不安があって決心がつかなかった。

で、悩んでいる内にネットで中古の
CJB-60s/FLが売りに出ているのを見つけた。Compact Bassにはバリエーションが幾つかあるが、これは60年代Jazz BassをモチーフにしたCJB-60sのフレットレスタイプだ。ちょうどフレットレスも探していたのでこれ幸いと購入させてもらった。

まず、音はJazz Bassぽい音がする。特に1弦と2弦は文句がない。3弦は少しパンチがないが許容範囲だと思う。問題は4弦で、スラップしたり指で引っ掛けるように弾いた時は許容範囲のように思うが、普通に弾くと芯がなく弱々しい感じになってしまう。特にサステインが全然ないので気持ちよく弾けない。

これがスケールの短さからくるテンションの弱さに起因するのか、ピックアップの特性なのか、ボディがポプラという軽い材質だからなのか、はたまたブリッジやナットの材質が原因なのか分からないが、この弱々しさには耐えられない。

大雑把に言うならば、1弦と2弦は「Jazz Bassだね」と思うが、4弦が鳴ると「どこのベースですか」という感じだ。

とは言え、手の小さい自分にはちょうど良いスケールだし、弦のテンションも十分あるように思うし、不安だったオクターブピッチも問題ない範囲に調整できるし(ペグがもっとしっかりしたものなら、調整もさらにやりやすいだろう)、気になるのは4弦だけなのだ。

そこでアクティブ化してベースをブーストしたら良いのではないかと思ったが、アクティブ回路の値段が本体を上回る可能性があるわけで本末転倒だろう。

だが、このまま転売するのも惜しい。それくらいに気に入ったベースなのだ。

ふと思いついたのが、アクティブ回路を仕込むのでなく、外部プリアンプで弱点を補えるのではないかということだ。ベース用外部プリアンプについては全くと言って良いほど知識がないが、それでもサンズという名前をよく聞くので、とにかくサンズのプリアンプがどんなものか調べてみると、SamsAmp Bass Driver DI V2というのが正式名称らしい。


しかし値段が3万円前後するのでは、ベース本体の定価より1万円以上も高くて検討に値しない。

どうしたものかと考えていると、こうしたメジャー製品の常として安価な対抗製品がありました。BehringerのBDI21というものだ。


しかも値段は3,000円前後らしい。仮にプリアンプとして使えなくても、DIとして使えるから買って損にはならないだろう。これは試すしかないとすぐに注文して使ってみると、自分が考えるところの音に非常に近い音まで調整ができる。自由自在に調整できるわけではないので、万人が満足するとも思えないが、CJB-60s/FLの弱点を補うには十分だ。特に全体にサステインが出て気持ちよく弾けるようになった。

こうしてBDI21を介して出た音を聴いて、定価が2万円を切るベースだと思う人はいないと思う。

外部プリアンプを使えば満足いく音になるわけだから、このままBDI21と組み合わせて使えば良い話ではあるが、こうなると本体をアクティブ化してみたいという欲求に抗うのが難しくなってきた。

色々と考えた結果、CJB-60s/FLをアクティブ化する変則アイデアを思いついた。まだ思いついただけで実現可能なのか、可能だとしても効果があるのかは分からない。ぜひとも近日中に挑戦してみたいと思う。

Hofner IGNITION BASS

宅録環境を新しくしてから2曲目となる新曲(と言っても30年前に書いた曲のセルフカバー)を録音し始めたが、どうしてもベースが思ったように演奏できない。

自分のベースは、Fender JapanのPrecision BassとJazz Bass Specialだからエレキベースとしては標準のスケールだと思うが、手が小さいので4フレットと7フレットを素早く行ったり来たりするフレーズに無理があるのだ。何度も弾いている内に腕の筋が痛くなり始めたため諦めて打ち込みにしてみたが、思った感じにならない。

で、ふと考えたのが、ギターの方もショートスケールで高い品質のパーラーギターがあるように、ベースにもオモチャでないショートスケールベースがあるのではないかということだ。

調べてみると、エレキベースにはショートスケールというジャンルがしっかり確立しているらしいことが分かった。どうやらテンションが低い弦が生み出す独特の味わいを好むプロもたくさんいるらしい。

とは言え、所詮はアマチュアの趣味だから高額な製品でなく5万円前後の製品を探してみると、ポールマッカートニーが使っているバイオリンベースにアジア製の廉価版、
IGNITION BASSシリーズがあった。

バイオリンベースは値段が高いドイツ製しかないと思っていたので廉価版があることにびっくりすると共に、腰痛と肩痛のために重いベースを担いでライブできない身としては願ったり叶ったりだ。地味なベースだから少しでも映えるように限定色のスノーブルーのHofner Ignite Bassを購入してみた。


弾いてみると、とにかく弾きやすい。スケールが短いので指が楽に届くこともあるが、ネックの形状も自分に合っているようだ。また本体が小さくて軽いので、これなら担いでライブで使っても全く問題ないだろう。

肝心の音だが、よく言えば深く暖かい、悪くいうとちょっとモコモコと言うかモヤっとした感じではあるが、テンションが低いからなのかブンブンいう感じがする。最近のビシっとカリッとしたベースと比べると、やや古臭い音なのかも知れない。

ちなみにEpiphoneにもバイオリンベースそっくりのビオラベースというのがあり、バイオリンベースのコピーかと思ったら、構造も設計思想もかなり違う製品だった。Epiphoneファンとしては惹かれたが、本体がバイオリンベースより重いし、腐っても鯛と言うか、廉価版とは言えバイオリンベースならHofnerだろうと最終的に製品を決定した。

久しぶりにベースを弾く楽しさを感じた。そしてショートスケールの高品質なベースがもう1台欲しくなった。Precision BassとJazz Bass Specialを売って、10万円台くらいの製品を探そうかな。

Tailoy BT2ギター

最近は、TAYLOR Baby Taylor Mahogany BT2ばかり弾いている。

BT2を買うことになったきっかけは、メインで使っていたエレアコ、Ovation Pinnacleのブリッジがはがれ始めたので、自分で修理するまでの間に宅録なんかで使うエレアコが必要になったことにある(BT2はエレアコではないが、外付けのピックアップを付けている)。

Pinnacleが治るまでのピンチヒッターなので、そんなに高価なギターでなく、とは言えおもちゃでもないギターを探していて、ミニギターという選択肢に思い至った。と言うのも、もともと手が小さいためレギュラーサイズのギターでは辛い場面が多かったからだ。

ミニギターというとおもちゃのイメージがあり、普通なら買おうとは思わなかったはずだが、ピンチヒッターだし、Pinnacleが治ったらサブギターになる予定だから、むしろ通常なら買わなそうなギターのが面白いと思ったわけだ。

で、ミニギターというものを色々と調べてみると、大まかにパーラーギター、ミニギター、トラベルギターなどがあることが分かった。そしてトラベルギターは可搬性と堅牢性を重視して音は今ひとつ、ミニギターはおもちゃ、パーラーギターというのが楽器としての性能と品質を持つ小型のギターであると理解した。

となれば選択肢はパーラーギターということになるが、それもきちんとした定義はないみたいでミニギターと呼ばれることも多い。どれがパーラーギターなのかわからないわけだから、逆にミニギターでも値段が7万円前後くらいならパーラーギターというカテゴリなのではないかと推測し、TaylorのBaby TaylorとMartinのLX1をYouTubeで聞き比べて好みの音に近いBaby Taylor BT2を買ったのだ。

その後、K.Yairi K.Yairi/Nocturne ノクターン ST【ヤイリ】というミニギターが出ていることを知り、国産にした方が良かったかなと思ったが、音を聴いたところ好みではなかったのでホッとした。

さて、しばらくBT2を弾いて痛感するのが、自分の手のサイズではレギュラーサイズのギターはデカすぎたということだ。そしてもちろんレギュラーのTaylorには敵わないながらもBT2の素晴らしい鳴りを聴くと、自分は本来パーラーギターというものを使うべきなのではないかと考えるようになった。

そこでパーラーギターをもっと調べてみると、世界にはパーラーギターを引くプロフェッショナルが驚くほどにたくさんいるようだ。そんなギタリストの中に、
Dominic MIllerというギタリストがいる。Dominic Millerの名前は知っていたが、K.YairiのRAGをカスタマイズしたパーラーギターを使っているらしいことを初めて知った(もちろん他のメーカのギターも使っている)。

重要なのは、単に著名ギタリストもパーラーギターを使っているということではなくて、そんなDominic Millerが「靴は自分の足に合ったサイズを買うのに、なぜギターは手のサイズに合わない製品を買うのか?」と言っていることだ(そういうことを言っていたとネットで読んだ)。

手が小さくて苦労している身としては、この話を読んで雷に打たれたような気がした。今にして思えば当たり前のことだけれど、そんなことを考えたことは一度もなかったのだ。

というわけで、今はパーラーギターでメインになりうるエレアコとエレガット(外付けのピックアップでも問題ない)になんとなく注意を払っている。

今の所、パーラーギターについて知識も経験もないのでMartin(
Ditson)とかK.Yairiとか著名なメーカしか見ていないが、 K.YAIRI Shizuku ST ミ二クラシックギターとかK.Yairi RAG-90V NS アコースティックギター フォークギター スマートシリーズ (Kヤイリ RAG-90V)とか、いつか欲しいなと思っている。

ストッパーXなど

島村楽器のHistory HEG-120(Fujigen製造のエレガット)の弦が切れたので張り替えようと思い立ってから約一ヶ月、弦アースが取れてない時になるジーという音が鳴る状態なので、張り替える前に修理に出した方が良いんだよなぁと迷っていたが、アンプから音を出すことがほとんどないので(アンプから音を出す時はYamahaのSLG130Wを使っているので)、修理はいつでも良いやと思い直して弦を張り直すことにした。

ただ張り直しても面白くないので、以前からYahooオークションで見かけて気になっていたストッパーXを試してみようと考えた。ストッパーXは、ガットギターの弦の末端に付ける小さな象牙製の部品で、フォークギターの様に弦を張ることができるようになる。製品の考え方からすると、張りやすくなるだけでなく、弦が滑らなくなるのでチューニングが安定しやすくなると共に、弦とギター本体の接点がストッパーXに集中するので鳴りが良くなるということらしい。

YahooオークションでストッパーXを購入した時、似た様な部品で「響」というものも見つけた。こちらは小さな球体なのだが、フォークギターの弦に装着することでギター本体と弦が密着して鳴りが良くなるという製品だ。

響だけでは、普通のガットギターの弦に付けることはできないが(不可能ではないだろうが、面倒だし効果も薄そうだ)、ガットギターの弦にストッパーXを付けるとフォークギターの弦と同じ状態になるので、そこに響を付けられそうだ。

というわけで、両方買って両方つけてみた。
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ガットギターの弦の末端にストッパーXが付いているのでブリッジに弦を巻きつけなくてもよく、かつ球体の響がブリッジの弦を受ける部分のくり抜かれた様な凹みに嵌って密着した状態だ。

まず、ストッパーXによって弦を張るのが非常に楽になる。また弦が滑らないので、チューニングも一度安定するとズレが少ない様に思う(ナイロン弦は伸びるからずれなくなるわけではない)。

そして響によって弦がギター本体に密着するからか、良く鳴るのである。HEG-120は、アンプを通さなければほとんど音は鳴らず、おもちゃの様な音しか出ないギターだが、この状態ではネックに振動が伝わる位に鳴っている。

この組み合わせは、想像以上に良い結果が得られた。

ストッパーXと響の接点が小さいため、ストッパーXがいずれ破壊されてしまうのではないかという心配があるが、それもしばらく使っていれば分かるだろう。

とにかく面白いものを買って試せたし、音も良くなったので、HEG-120を使う機会は増えそうだ。このままの状態で修理に出すとストッパーXか響を紛失されそうなので、次に弦が切れた時が修理のタイミングかな。

しばらく使って問題なければ、SLG130にも付けてみよう。

買いたいギター

一時期より本数は減らしたとはいえ、今でもエレキベース2本、セミアコギター1本、エレキギター2本、エレガットギター2本を持っている。

前回書いたように、これにサイレントギターを最低でも1本追加する予定だ。

もう置く場所もないので、この辺が限界なのだが、いつか買いたいギターというものが存在する。

まずは、ギブソンのサンダーバードベースだ。このベースは、高校生のときに友達が学校に持ってきたのを借りて非常に短時間だが弾かせてもらった。その弾きやすさと感触の良さが今でも忘れられない。

その後、何回か楽器屋で触る機会があったが、なんとなくしっくりこなくて買わずに来た。不思議なのは、私は手が小さくてフェンダーのプレシジョンベースのネックだと無理があるのに、同じスケーリングのはずのサンダーバードが異常に弾きやすかったということだ。ひょっとして、私の勘違いでジャズベースと同じスケーリングなのだろうか。

現在でも、エピフォンからサンダーバードIVが出ているはずなので試してみたいが、オークションで私が高校生だった1977年頃の製品も探してみたい。

次にオベーションのアダマスだ。本物は一度も弾いたことがないし、音もさほど好きじゃないんだけど、とにかく独特の形状に顎がれつづけてきた。

一度、デザインが同じセレブリティを買って使っていたが、本物とは材質が全く違うわけで手放すことになった。いつか、本物を買おうと夢見ている。

次にフジゲンのセミアコ、MSA-SPだ。このギターに憧れる理由は非常に単純で、国産で品質が高く手が出る値段であるということだ。似たようなギターはいっぱいあるし、多分、もっと良い選択肢もあるんだろうけど、フェンダージャパンの影の立役者(だった)フジゲンの魅力には抗えない。

最後が、ヤマハのCPX1200IIだ。とにかく同社のSRTというピックシステムに異常に惹かれるのだ。そしてどうせエレアコなら、APXよりも生音もしっかり出そうなCPXかなぁと思っている。

こうしたギターを買う時が来たら、保管場所がないから今あるギターを処分しないといけないんだろうが、それはそれで悩みそうだなぁ。

YAMAHA SLG200Nが欲しい

YAMAHA SLG200N NT ヤマハ サイレントギター SLG-200N クラシックギター ナイロン弦仕様が欲しいです。もう、単純に欲しい。

色違いのYAMAHA SLG200N TBS ヤマハ サイレントギター SLG-200N クラシックギター ナイロン弦仕様(タバコブラウンサンバースト)やYAMAHA SLG200N TBL ヤマハ サイレントギター SLG-200N クラシックギター ナイロン弦仕様(トランスルーセントブラック)も欲しい!

私は、YAMAHA サイレントギター ライトアンバーバースト SLG130NW LABを持っていて、すごい気に入っているんだけど、新しい200シリーズでは、チューナ内蔵、リバーブとコーラスをそれぞれ調整しながら同時にかけられる、SRTピックアップ、ネックにトラスロッド内蔵、電池が単3を2本、などと改良されたので見劣りしてしまう。

130NWは、ライブの予備にして200Nをメインにしちゃうだろなぁ。以前のように限定色とか出るかも知れないから、発売直後に買うのはやめておこうかな。

Ovation Celebrity Adamasのトラスロッドを回す

私は、ベース、エレキ、アコースティックなどのギターを全部で8本持っているが、その中に中古で購入したOvation CelebrityシリーズのAdamasがある。

Adamasというのは、エレアコなのだが、表面に大きなまるい穴が一つ空いているのではなく、小さな穴がいくつか空いているちょっと変わったデザインのギターだ。

で、私のAdamasは、買った時からネックが順反りしていて、弦高が非常に高くなっていた。6弦12フレットで4mm以上あったと思う。この高さだと、弦をきれいに押さえるには、かなりの握力がいるし、指先の皮もタコができるくらい厚くなる。

非常に弾きにくいわけだが、弦をきっちりと押さえないと奇麗に音が出ないので、訓練のつもりでずっとその状態で使っていた。しかし、長く弾いていると握力はなくなるし、指先も痛くなるしで、きっちり演奏すると30分も弾き続けることができない。

これでは、ライブで使えないなぁ、ということで、しばらく前にトラスロッドを回して反りを調整し、弦高を下げることにした。

ところが、トラスロッドが回らない。トラスロッドがギター本体内部にあるため、裏面の穴から腕を差し込む必要があるのだが、無理な体勢になることもあり、L型の六角レンチでは力が入らないのだ。

そこで、色々と調べたところ、L型でなくグリップが付いたT型の六角レンチというのがあるらしいことが分かった。そこで、Amazonで調べたら
ドイツ製インチT型六角レンチ 3/16 DAIKITOOL 334-3/16-150 黄という製品が見つかった。

ちなみにOvationのトラスロッドは、インチ方式なので、cm方式のレンチは使えない。必ず3/16インチというレンチを用意しよう。

で、こいつを試すと、グリップをしっかり握れることと、レンチ部分が長くて腕をギター本体にあまり入れなくてよいことから、レンチに力をかけることができ、結果としてトラスロッドを回すことに成功した。

Ovationのギターで、L型六角レンチでは力が入らずトラスロッドが回せないと言う人がいたら、T型のレンチを試すとうまくいくかも知れない。