Hofner IGNITION BASS

宅録環境を新しくしてから2曲目となる新曲(と言っても30年前に書いた曲のセルフカバー)を録音し始めたが、どうしてもベースが思ったように演奏できない。

自分のベースは、Fender JapanのPrecision BassとJazz Bass Specialだからエレキベースとしては標準のスケールだと思うが、手が小さいので4フレットと7フレットを素早く行ったり来たりするフレーズに無理があるのだ。何度も弾いている内に腕の筋が痛くなり始めたため諦めて打ち込みにしてみたが、思った感じにならない。

で、ふと考えたのが、ギターの方もショートスケールで高い品質のパーラーギターがあるように、ベースにもオモチャでないショートスケールベースがあるのではないかということだ。

調べてみると、エレキベースにはショートスケールというジャンルがしっかり確立しているらしいことが分かった。どうやらテンションが低い弦が生み出す独特の味わいを好むプロもたくさんいるらしい。

とは言え、所詮はアマチュアの趣味だから高額な製品でなく5万円前後の製品を探してみると、ポールマッカートニーが使っているバイオリンベースにアジア製の廉価版、
IGNITION BASSシリーズがあった。

バイオリンベースは値段が高いドイツ製しかないと思っていたので廉価版があることにびっくりすると共に、腰痛と肩痛のために重いベースを担いでライブできない身としては願ったり叶ったりだ。地味なベースだから少しでも映えるように限定色のスノーブルーのHofner Ignite Bassを購入してみた。


弾いてみると、とにかく弾きやすい。スケールが短いので指が楽に届くこともあるが、ネックの形状も自分に合っているようだ。また本体が小さくて軽いので、これなら担いでライブで使っても全く問題ないだろう。

肝心の音だが、よく言えば深く暖かい、悪くいうとちょっとモコモコと言うかモヤっとした感じではあるが、テンションが低いからなのかブンブンいう感じがする。最近のビシっとカリッとしたベースと比べると、やや古臭い音なのかも知れない。

ちなみにEpiphoneにもバイオリンベースそっくりのビオラベースというのがあり、バイオリンベースのコピーかと思ったら、構造も設計思想もかなり違う製品だった。Epiphoneファンとしては惹かれたが、本体がバイオリンベースより重いし、腐っても鯛と言うか、廉価版とは言えバイオリンベースならHofnerだろうと最終的に製品を決定した。

久しぶりにベースを弾く楽しさを感じた。そしてショートスケールの高品質なベースがもう1台欲しくなった。Precision BassとJazz Bass Specialを売って、10万円台くらいの製品を探そうかな。