Headway HCF350とギターの音

最近、Headway HCF35S ANというアコースティックギターを中古で買った。


日頃から出しっぱなしにしておいて気にならない安いアコースティックギターの中古を探していたが、なかなか自分に合うギターには巡り会えなかった。ところが、このHCF35というギターは持った瞬間から手にしっくりきただけでなく、音もワンラン上のギターの音がすると感じたのだ。トップがスプルースの単板なのだが、これが非常に良くなる印象だ。

このギターそのものの詳細な情報は知らないのだが、長野県松本市のギターメーカ、ディバイザーの廉価版シリーズの一本らしい。すでに製造は終了していて、型番から分かるように定価が35,000円で実売は3万円弱くらいだったようだ。

形状からするとMartin OM28辺りを模したギターのように思われるが、Martin OM28のような深みのある音は出ない。それでも非常にバランス良く鳴り、HCF35というギターを知らなければ中古で1万円そそこそこのギターと思う人は皆無だろう。

で、このギターを買ってから毎日のように弾いて、ふと思い至ったのがギターは音よりも弾きやすさが重要だということだ。これまでも音に惹かれて買って、結局は手放したギターも多いが、今思えば弾きやすさが足りなかったんだと思う。

Ibanez JP-20を買った時、なんて弾きやすいギターだろうと思ったが、高いギターなので当たり前だとも思った。しかし、HCF35を弾いてみて値段は関係ないんだとやっとわかったということか。

そう思うと、音は大好きだが何故かあまり弾かないEpiphone Riviera(ミニハムバッカーのタイプ)なんかは、その典型で弾きやすさが足りないってことなんだろう。この辺、老化による肩や腰の痛みから重いギターを長時間担いでいられなくなったこととも関係あるかもしれない。

ギターが好きな人には音のが重要だ、あえて言えば音が全てと思う人も多いと思う。自分もずっとそう思っていた。しかし音を重視して弾きやすさを犠牲にするのは、好みのデザインながら足の形に合わない靴を履き続けたり、同様に違和感があるままスーツを着続けるのに似ているように思う。

今後もギターを買うことがあるならば、もちろん音も重要ではあるが、選定基準としてまずは弾きやすさを優先するように心がけよう。