12" アクションフィギュアの最も簡単なカスタマイズは、ヘッドのリペイントだと思いますが、その他にも簡単だけど楽しいカスタマイズの方法はあります。例えば、本来GI Joe互換ではない人形などでもヘッドの造形が良ければ、そのヘッドをGI Joeボディに移植することでバリエーションを増やすことができます。

 例を挙げると、CotswoldのElite Brigadeボディは、簡単にヘッドが取り換えられる構造になっているので、サイズさえ合えば他の人形からヘッドを移植することも比較的簡単です。ちなみにHasbroのクラシックコレクションやHall of Fameシリーズ、21st Century ToysのUltimate Soldiersシリーズなどでは、ヘッドの取り外しでは非常に難儀します。

 Elite Brigadeを使う限り、ヘッドの移植は特に難しいものではないし、他のフィギュアでも作業自体は単純なので、ここでは私の気に入っている移植後のフィギュアだけ紹介しておきましょう。

 これはCotswoldのRichard Sharpe, 95th Riflesですが、ヘッドは米TOYBIZ社のNASCAR 12" Collector Figure, Mark Martinから移植したものです。写真は、なんか手振れしちゃって、ちょっと分かりづらいですね、すいません。Richard Sharpeには、元々は髪と目をリペイントしたNickヘッドが付いてくるのですが、Cotswoldのヘッドの他の例に漏れず、あまり素晴らしいヘッド造形とは言えません(Cotswoldのヘッドの中では中の上くらいでしょうか)。私は、Nickも嫌いじゃないですが、TVドラマでSharpeを演じた役者と全然似ていないので、Mark Martinを移植しました。このアップが下の写真です。

 このNASCARシリーズは、12" GI Joe同様にスケールが1/6であり、ヘッドサイズには全く問題がありません。そこで、首の真ん中当たりでヘッドを切り落として、首の内側をElite Brigadeの首パーツに合わせて綺麗にカッターやナイフでくりぬきます。仕上げには彫刻刀を使うと、首の付け根に返しを造って、Elite Brigade側のパーツにとりあえずぴったり装着できるようにもできます。なお素材は柔らかいので、造作は簡単です。

 さて、次に上のSharpeの同僚(というか、部下ですけど)であるCotswoldのSeageant Harperを紹介しましょう。この写真のヘッドは上でも使ったNASCARのDale Jarrettです。

 また手振れしてますね、すいません。Harperには、元々Zachヘッドが付いて来るんですが、ZachはCotswoldのヘッドの中では下の上程度の造形で、今ひとつです。それで、同じ髭面のJarrettを移植したわけです(正確にはHarperは顎髭もぼうぼうですので、口髭しかないJarrettでは完全ではありません)。この顔のアップが下の写真です。

 いかがです?Cotswoldには、現時点では、これらのヘッドと競合できる造形を持ったヘッドは数えるほどしかありません。なお気に入ったヘッドを移植といっても「ヘッドを切り落としたりするのは気が引ける」と考える方もいるでしょう。それは、その通りで、むやみにヘッドを切り落としたりすることはお勧めしません。後で後悔しかねませんからね。でも、例えば上で紹介したNASCARシリーズなどは、ボディの可動性能は悪いし(MattelのKenなみ)、おまけに腕が短すぎて、バランスが変なのです。さらに米国においては、非常な安値で投げ売られていた経緯もあり、入手さえできればヘッドの切り落としにも罪悪感はありません。惜しむらくは、既に米国でも入手が困難になっていることです。同様なケースが、香港のFormative International社のSoldiers of the Worldにも言えて、可動性能の悪いボディと安値から、ヘッドの加工に罪悪感はないでしょう(ヘッドのリペイントの項を参照)。

 で、ここまで書いたのが99年初頭なんてすが、その後Harperにぴったりのヘッドを見つけました。それも交換用に売られている商用製品で、Mr. KのThe 4 Headsといいます。製品としてはクラシックコレクションタイプのボディ用なんですが、首の内側をナイフで削るとElite Brigadeにも装着できるようになります。実際、ヘッドに首がほとんどないので、首の短いクラシックコレクションタイプよりもElite Brigadeの方が見栄えは良いです。

 パッケージには4つのヘッドが入ってるんですが、その中でもジャンレノ似のD. Frey(上の写真)というやつがぴったりです。

 これの上半身が上の写真です。歯を見せて笑ってるのが好みの別れるところですが、なかなかに格好良いですよね。

 で、突然に、このヘッドは何?と思われた方もいると思いますが、このヘッドはAliens vs Hicksという製品のヘッドです。製品のボディはHOFなんですが、この写真では全く分かりませんけど、クラシックコレクションボディに移植してあります。HOFボディだったフィギュアのヘッドをクラシックコレクションボディに移植するのは簡単です。なぜなら元々首の形状に互換性が有るからです。外す時と入れる時に、ドライヤーで十分暖めないといけませんが、それだけのことです。何で全身の写真がないかというと、まだ下に何も着せていないからです。

 で、続きです。以下の通り、全身の写真をとりました。

 顔、でかいですね。でも工場のにいちゃんみたいで結構いいです。これで分かるようにHOFのヘッドをクラシックコレクションのボディに移植しても全然違和感ありません。ということで、以降は、実際にHOF達をクラシックコレクションボディに移植していきましょう。

 下は、HOFのSgt. Savageです(正確にはHOFシリーズではありませんが)。

 HOFは、一見マッチョで格好良いですが、写真でも分かるように手首が可動せず(足首も可動しません)、肘もほとんど動きません(間接は有ります)。また首が回転しかせず、上下というか前後というか、やはり可動しません。私はSavageのアメコミ風の顔が大好きなんですが、この体はいただけません。そこで、ヘッドをクラシックコレクションに移植したのが下です。

 いやぁ、全然違いますね。全く新しいクラシックコレクションみたい。ここまで来たら、やはりSavageのボロボロ衣装ではなく、ちゃんとした衣装に着せ替えをしなければいけないでしょう。

 で、上がGI Joe Collectors' Clubの'97コンベンション限定、Super Sonic Test Pilotを着せたところです。実は、私は、元々、Savageをこの衣装に着せ替えるために買ったのです。なぜならSavageがサムシェパードに似ていると思ったからです。そこで、(サムシェパードが音速テストパイロット、チャックイエーガの役を映画ライトスタッフでやっていたため)ぜひともSavageにこの衣装を着せたかったんです。でも、実物のSavageはごつくて、ちょっとシェパードには似てないんですけどね。

 HOFには、格好よいヘッドがたくさんあります。いつか、これらをCCボディに移植したのを総登場させましょう。またHOFAと呼ばれる改良版では、可動域も増えてますが、やはり今一つ。こちらもヘッドの移植が可能なので(CCにではないですが)、そちらもいずれ採り上げます。

 で、その前に、最近最も気に入っているヘッド移植を紹介しておきます。

 これはメディコムのRAHゴジラに入っていた日本人のヘッドを、同じくメディコムのRAHブルース・リーボディに移植したものです。首の接合部形状は若干異なりますが、互換性は有るようです。この日本人ヘッド、CCとかElite Brigadeとかのボディだと変なのに、このボディーにはマッチします。

 このメディコムのRAHブルース・リーのボディは、実は他のRAHで使われているニューコンバットジョーボディではありません。現在では、RAMと言われているボディとほぼ同じもので、ヘッドと首の接合部形状などは独自のものになっています。この接合部ですが、よくよく見てみるとElite BrigadeなどのビンテージG.I. Joe方式ヘッドとHOFAやImproved Actionman(スポーツジョー)方式のヘッドの両方に対応できるようになっています。で、RAMボディにHOFA方式の別のヘッドを移植したのが下です。

 格好いいでしょう?ヨーロッパ映画の二枚目の殺し屋って感じですよね。さて、このヘッドはタカラのアイルトンセナDXというフィギュアのヘッドです。このフィギュアはボディが可動性今一つのHOFAだったので、Improved Actionmanに移植するつもりでいたのですが、RAMに移植できることを発見したので、こっちに移植しました。RAMボディは、間接がゆるいとか肩がでかいとか問題があるんですが、ボディバランスやポーズが漫画っぽくてこういうヘッド造型にマッチするようです。メディコムのRAHブルース・リーはヘッド造型が駄目なので、セナやHOFAのG.I. Joeヘッドに取り換えちゃうのも面白いかもしれませんね。

 で、このセナ・ヘッドを付けるために外されてしまったRAMのヘッドですが、RAMヘッドはビンテージジョーのボディと形状互換だったので、CotswoldのElite Brigadeボディに装着してみました。

 どうです?結構格好いいですしょ?このヘッドはScottなんですが、実は、私、RAMの中でもScottはちょっと敬遠してたんです。単なるおっさん顔で、遊びようがなかったんですよね。でもElite Brigadeボディに付けたら、格好いい中年スパイみたいになりました。Elite BrigadeボディはRAMより脚が短いし(背丈はほぼ同じ)、なで肩だったりして、RAMよりも首が長く見えるし、こういうバランスの違いが見た目に大きく影響する良い例ですね。

 ここまで来て、やっぱりセナはレーシングスーツを着ていないといけないと思い直し、RAMボディのまま、製品が来ていたスーツを着せました。

 いやぁ、爽やか!やっぱりこうでなくちゃ。タカラもHOFAなんてボディにしないで、クラシックコレクションくらいのボディを使っていれば、この程度の見栄えは実現していたと思うんですよね。そしたら、もっと売れてトイザらスで5,000円で投げ売られたりしてないと思うんです。ちなみに定価は28,000円だったらしいんですよ。28,000円の製品にHOFAボディなんて、使いますかね。それも3年前ならいざ知らず、昨年(1999年)の製品なのに... タカラって、本当に100点満点の製品出しませんね、最近。コンバットジョーみたいのもう一度出して欲しいなぁ。

以上(この項、続きます...)

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