『中国「猛毒食品」に殺される』を読んだ

『中国「猛毒食品」に殺される』という本を、モニターとして読んでみた。扶桑社ファンサイト参加中

この本は、タイトルからも一目瞭然の通り、中国産の食材および加工食品がいかに危険であるかについて書いたものだ。

中国産の食材および加工食品が危険であることは、万人の知るところではあろうが、その実態について知る人はあまりいない。かく言う私も、日頃からできる限り中国産の食品は避けているが、その危険であるとされる内容について、詳細に理解しているわけではない。

この本は、まず前半で過去に起きた中国産食品絡みの事件を振り返り、後半で著者が自ら中国で取材したルポで現場の様子を紹介する、という組み立てになっている。

例えば、中国の屋台や小さな食堂では、下水から回収した油で調理していると言う話は以前から聞いていたが、都市伝説のようなもの、あるいは中途半端なものだとしても下水から油を精製する何らかの技術があるのだと思っていた。しかし、この本ではじめて「採掘」現場の写真を見て、下水から油を汲み取って回収していることを知った。この事実を知って、中国の屋台へ行ける日本人が何人いるだろうか。

日本でも大きく報じられた、あるいは日本自体が被害に合った事件の記録で記憶を新たにした上で、そのような問題がなくならない原因がどこにあるのか、著者の目を通して根源的な問題に迫るというのが、この本の眼目なのだろう。

実際のところ、中国の法的、あるいは文化的なバックグラウンドに深く踏み込んでいないので、その目論みが成功したとは言いがたいが、危険、危険と言われる中国の食品が、いかに危険なのかを再確認し、今後もしばらくは改善が見込めそうもないことは十分に理解できる内容になっている。

もちろん、現在の日本で中国産の食品と接触せずに生きて行くことは不可能だし、じゃぁ国産なら安心かと言えば、そうでもないわけで、その点は、この本でも明確に触れている。

つまるところ、危険であることを分かった上で注意深く暮らすか、眼をそらして生きて行くか、危機管理の問題と言うことだ。

ここからは余談だが、私は、数年前まで毎週、あるいは数週間に一度はマクドナルドに行っていたが、今は、年に数回しか行かない。これは、中国で鶏肉の問題が起きた際の、中国産鶏肉を使っているマクドナルドによる対応に納得が行かなかったからだ(詳細は、ネット検索すれば出てくるだろう。もちろん、この本にも出てくる)。

マクドナルドが、中国産の鶏肉の扱いを即時に止めれば、また足繁く通うだろうが、現状のままなら年に数回しか行かないし、しかもチキン製品は一切食べない。

ホットもっとでも中国の食材が使われている弁当は買わないし、以前は盛んに通っていた牛丼屋にも、もう何年も行っていない。

仮に、もっと多くの人が、同様に中国産の食品を避けるようになれば、業界自体も気付いて中国産食材や食品の扱いを減らして行くのではないか、と淡い望みを抱いたささやかな抵抗なのだ。